「小」を通らない「大」は無い。
日本を出発する直前まで、ちょっと変わった企画に力を入れていたんだけど、これが久々の日本の夏の、でっかい思い出になった。
その名もクワガタプロジェクト。今回の日本滞在で拠点にしていた厚木市の子供達300人に、クワガタをプレゼントしようという試みだ。
もちろん、クワガタは買ってきたものじゃない、全てこの企画に関わってくれた人達と一緒に、毎晩毎晩山に獲りに行ったモノ(笑)
こんな企画を提案した理由はいたってシンプル。最近は幼い頃からゲームやスマホを常時携帯し、土いじり、外遊びを知らない子供達が増えているからだ。何か外遊びに興味を持ってもらえるような企画を、この地でやってみたかった。
そこで頭に浮かんだのが‘‘クワガタ’’。子供の頃毎年罠を仕掛けて、獲りに行っていた経験があるからね。
初めは本当にノリだけでスタートしたこの企画、終わってみれば地元メディアの方や、議員さんまで参加してくれるような、ビッグイベントになった。
最初は恥ずかしがりながらクワガタを受け取っていた子が、自分で選んだクワガタをじ〜っと見つめ、店内に座り込み続ける姿を見ると、
『ふふ、作戦成功』って気分になるな。
俺自身も子供の頃、虫かごも覗き込みながら、そのまま庭で寝てしまっていた事件を思い出したりね。
今回クワガタを受け取りに来てくださった方々、ボランティアで集まったクワガタハンターのメンバー、休み屋カフェサンフラワーの皆さん、今回のプロジェクトへの参加、
ありがとうございました!
厚木の子供達に、『外遊び、土いじり』と接する機会を、少しでも作れる事が出来たなら、今回の作戦は大成功。夏の最後を締めくくる、いい思い出ができただけじゃなく、今回の企画を通して、大きな確信も得ることができた。
それは、俺みたいな社会的地位の一ミリもないような人間でも、他者に貢献する、地域に貢献する、社会に貢献することができるってこと。
最近は『何か大きな事を成し遂げたい』という野望を持っている同世代と、以前よりは多く出会うようになったけど、そーいう人に限って、『小さな事はやりたくない』なんて考えている場合が多いように見える。
でも、趣味でも、仕事でも、サッカーでも、小さな所業を通過しない大きな所業なんてのは、実際世の中にはほとんど無い。
この企画だって、俺がよく通っている喫茶店の一人息子、‘‘コーセイ’’にクワガタを獲って来た所から始まった。きっかけはそれだけ。
(コーセイ)
思い描く大きな野望が、スタート地点でもう手が届きそうな事なんて、滅多に無いだろ?
やはり多くの理想が、思いついた時点では途方も無いほどの距離があるはずだ。
そこで、『小さなことはしたくない』と、スタートを先延ばしにしていては、一生そこにたどり着くことは無い。 大きな所業っていうのは、どれも雪だるまのように小さい規模からのスタートするモノだから。
大人として生まれてくる人間は存在しない。それと同じだ。
全ては一握りのサイズからのスタート。悩んでいる暇があったら、小さな雪の塊を転がし始めろ!
全てはまずそこから。